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製作後記
この度は初の製品版ADV『CriminalMemory』お買いあげ有り難うございました。

制作期間は、約1年くらいでしたかね。
元々フリーゲームを作り始めたのは、あの頃アドベンチャーってジャンルのフリゲが少なく、面白そうなのはシェアウェアばかりだったから、そんじゃ自分がやりたいゲームを作ろうって言う、明確な動機でした。
金払ってまで…と言う思いがありましたし。
なのに、何で製品版を作ろうと思ったかと言うと…
当時はADSLどころかダイヤルアップが主流で、ISDNが速いと言われていた時代。
CGに力を入れたくても、枚数を増やしたり画質を上げようとすると容量が増えて、やんわり苦情がくる。
「ネット環境が無いけどゲームをやりたい!」という声をちらほら戴き、昔みたいにイベントで売るか〜などと年甲斐 も無く思ってしまったのが事の始まり。
ネット配布だと容量を抑えるために、曲の形式や画像の質を押さえなくてはいけないと言うのも当時はモヤモヤしてて、何も気にせず思いっきり作ってみたい!ってのが一番の願望だったんスよね。

何よりサーバーにアップロードする私自身も大きい容量だと刻々と増える電話料金に戦々恐々として心臓に良くなかった。
「ぎゃー、3分経っちまったぁぁ!」って感じで。
誇張ではなく、タイマー見ながら2分50秒とかでモジュラー引っこ抜いてたりしてたんす(苦笑
朝早い仕事してたのでテレホはあんまり使えなかったし。
今みたいにネット使い放題な日が来るなんて、当時は全く思えなかったなぁ…。ありがたや。
思い切り絵を描きたかった。JPEGの高圧縮の低画質じゃなくて、bmpかpngで。
これがまず第一。
それと同じくらい重要なのが、個々のPCに依存して音色が変化してしまうmidiでは無く、誰が聴いても同じ音楽で物語を造りたかった。
曲から物語を思いつく事が多い自分はmidiサイトをいくつも巡ってましたが、ソフト音源くらいしか持っていなかったので貧弱な音色しか出せず、「作曲者の人はどんな音色としてこの曲を作ってるんだろう」と思ってました。(これは今も)
でもmp3やoggは容量がでかいので、とてもダウンロードゲームには使えない…。
そんじゃ、CDに焼いてしまえ、と。
シェアが嫌だからとフリーゲーム作り出したくせに、金取るのか?
かと言って、CDを無料配布は出来ないし…。
この辺は散々悩みましたが、やっぱり思い切り作品作りたい欲の方が強く、出来るだけ安価で、やってもやらなくてもフリー版とは話が通じるものにしよう、と決めてました。
自分の作品はまだまだ未熟だしマイナーだし、でも10人くらいは買ってくれるかな…誰もやってくれなかったらどうしよう、と、予約告知出した時はマジでドキドキ。
翌日の大量の予約希望メールは腰を抜かさんばかりに驚いたのと泣けるくらい嬉しかったのが今でも覚えてます。
なのに、発送時の不手際とか余裕の無さは今思い出しても死ねる。
当時ご迷惑をおかけしてしまったユーザー様、すみませんでした…。
相手方のちょっとのミスでカリカリしてた自分を諫めてやりたい。バカバカ。
暖かい言葉やカンパを下さった方々、本当にありがとうございました。


で、製品版を作るにしても、何を作る?
短編でそこそこ受けそうなのはやっぱりEMPTYDREAMシリーズだろう。
シナリオはどうする?
『EMPTYDREAM』と言ったら、やはりラルクとシェルの物語を出したい。が、既に『NightMare』や『Memories』で概要は出してしまっている。
初めての人でも世界観やキャラが分かる話にしないとならんし、うーん…
では、『夢の終わり』の様にラルクの旅の物語を?いや、それじゃあ……云々
カイルの話は、最初から全く考えてませんでした(苦笑)
あくまで主役はラルクですから。次回作ならともかく。
こんな感じで延々とシナリオは悩みましたねー。
最終的には『鮮血の夢』のADV化になるのですが、これも苦渋の決断だったんです。
だって
ユーザーは既に小説で結末を知っているのですから。
だから、それを補え余る程のシナリオを練らなくてはいけない。
まぁ、小説版では今見直すと随分さらーっと話は終わってしまってますので、今回のシナリオで少しは肉付け出来たかな。ティナも絵出てきて無かったし。
描写があまりに稚拙で恥ずかしい出来のため今はもう取り下げてしまってますが、話自体は気に入ってたもので。

さて、『鮮血の夢』と言ったらあのお茶ネタははずせない。
ゲーム中ではあえて選択肢を用意しましたが、皆様、最初どちらをお選びになりました?
あそこでニンニク選ばないとtrueエンディングにいけない様にしようかと考えていた極悪な私。

今回是非出したかったシーンの一つに、ジョージナにお伽噺を聞かせるラルクがあります。
彼にとって、シェルとの恋は今ではきっと夢のようなお伽噺でしょうから。
回想シーンでの、シェルのお姫様抱っこは、『雪夜話』でのあるシーンが異様に反響合った為(笑)、後から付け足しました。
考えてみれば、ラルクは彼女の前ではおたおたしてるけどシェルが動揺するシーンってなかったよなぁと思い。
いやぁ、相変わらず甘甘でべたべたなカップルです(笑)。
テキスト打ってるこっちが赤面しそおでしたわ。
『Memories』で二人で過ごす時間は出してしまっているので、あれと被らないよう、また被っても違う見方か
ら…と、見せ場には苦労しましたね。
それにしても今回のラルク、現在とは比べものにならないくらい、途中で狼狽えたり突っ張ったりしています。若いですね〜w 
シェルの方は、こうして見ると…ただの変な娘な気が(汗)。 儚げに見えて結構気が強いし。 
ラルクが途中で思いとどまったからいいようなものの、一歩間違えてりゃ血ぃ吸われてるよ。
公開後、シェルに関しては、最強の大ボケ娘と言う評価を戴きました(笑
確かにあれは天然の域でしょうな。

今回も複数の結末を用意しましたが、trueEDである『鮮血の夢』を最初にクリアしたと言う方が大半のご様子。
あれが本当に見て頂きたかった終わり方ですし。
ジョージナがティナを殺す直前にラルクが止める…と言うのも考えていたのですが、そうなるとシェルの元婚約者の動かし方に困りボツ。(その代わりに作ったのが、『旅の続きを』ED)
教会シナリオは、引きずり出されたジョージナ達のために現われたラルクの前に、元婚約者が現われて…と言う展開を考えてました。
が、ラルクは教会であんな事しちゃうもんだから、これまたボツに。
『恋した女』EDでは、あの老婆の素性が気になられているみたいで。
一番多く寄せられた答えは、「塔の前でラルクが野犬から助けた少女」でしたが、さて…。
あの少女は『NightMare』にも出ています。

マルチエンディングのため、今回はエンディングリストと回想モードもご用意しました。
右クリックセーブ画面もカスタマイズしたかったのですが、私にはダメでしたー…。
次回作ではもう少し何とかしてみます。
クリック待ちアイコンや確認画面もお色直し。
随所で、今までとは違うんだぞー的なところを加えてあります。
あの十字架アイコンも、実は作るの大変だったんだよぅ(号泣)。
おまけモードを作るのは、本文以上に大変だったなぁ…。
CGモードや音楽モードetc、今回初めて作ったのですが、吉里吉里のテクニックを公開しているサイトと睨めっこしまくり(涙)
皆さんすげーよ。
「ゲーム制作講座作って」とか言われたこともあるけど、私が教えて欲しいくらいですってば(涙
吉里吉里で結構な数の作品作ってきたけど、未だに「TJS?なにそれうまいの?」なレベルだもんよ。

おまけといえば、予約販売に限り、オリジナル本とFDをつけました。
おかげでショップ任せに出来ず自宅で発送って事になったんですが、振り込み口座の開設から包装・発送までえらい大変で幾度後悔したやら…。
最初は50部のつもりだったのに、300超えなんて想定外だ(汗
それでも、自分の作品をこんなに買ってくれると言うのはとても有り難かったしご感想を戴く度に、やっぱりおまけも作ってよかったなぁ…と涙したものです。


さて、今回はもう一つ作りたかった物語『BloodyWish』も収録しています。
本編だけじゃ話が短いよな、自分だったら金払うんならこれじゃ物足りない…と思ったので。
このシリーズの処女作『夢の終わり』は、本当はこんな物語になるはずでした。
誰もいない忘れ去られた村でただ一人待ち続ける女。
ただただ、昔一度だけ見た美しい男だけを想って
―――
が、それだけでは、初めてユーザーにはラルクと言うキャラクターがまだ分らないのに説得力ないよなーと思い、よりキャラクターと世界観を出す意味で『夢の終わり』では初対面のシスターや子供を登場させて、ラルクのキャラを印象づけるシナリオにしました。
『BloodyWish』でも「夢」と言う言葉が沢山出てくるところからして、元は同じタイトルだったと納得いただけるかと。
そんな思い出のあるシナリオだったので、いつかは作りたいと願っていましたが、『夢の終わり』をリリースしている今、被りまくっているこれはフリーゲームとして公にはもう出せない…。
だから、この機会を得た事は、とても嬉しかったです。
敢えて今回も同じ背景画像、同じハンタ−を出演させました。て、手抜きじゃないですよ…たぶん。
『夢の終わり』と同じであって同じでない。
どちらが本物でも偽物でも無い。
あなたは、どちらの物語を選びますか―――?
(『夢の終わり』よりこちらの方が切ない…と言うご感想も戴きました)


お約束の「番外編」は、今回はナシ。
「夢の終わり」でもそうですが、完全シリアスの話には付けたくないので。
カイルがいないと、基本的にこのシリーズにギャグはありません(笑)。

でも最後の最後にまさかのカイル登場。
折角の製品版だし、カイル派だとおっしゃる方も多いので、サービスの意味も込めて。
カイル達の会話は、小説「夢見の丘」へと続きます。
「NightMare」の後日談、カイルがラルクと共にシェルの墓参りに行く話です。
シェルのドレスとポーズが、今回と小説の挿し絵では違うのはご愛敬(苦笑)。



初めての有償化とあって、勝手も今までと違う。
最大の問題が、音楽や効果音。
フリーなら無料だが、シェアなら不可もしくは有料の場合も多いんですな。
いくつかは断られ、いくつかは儲けがないならと許可を戴き、いくつかは料金をお支払いして…
この辺の苦労はフリーウェアの時には無かったものです。
お金が絡むと大変だ…と実感した一コマでした。
殆どの音楽サイト様は快く作品をお貸し下さって、中にはわざわざアレンジして下さった方もいらっしゃいました。
全てのゲームに通じることですが、私一人の力では作る事が出来ません。
大切な作品達をお貸し下さった方々へもお礼を申し上げます。


作品の公開からこんなにも間が空いての後記ですみません。
ここまで読んで下さってありがとうございます。


それではまた、吸血鬼の旅路でお会いしましょう。




2005/5/9   2008/11/10   藍澤風樹